初めに
こんにちは。
うつ病の症状が強かった時期を経て、心と丁寧に向き合う大切さに気づいた、ささがにです。
「このままでいいのかな……」
何もできずに過ぎていく日々に、焦りや不安を感じていた私が、ふと始めたのが野菜の栽培でした。
その中でも、今も心地よく続けられているのが水耕栽培です。
今回は、私が水耕栽培を選んだ理由と、そこに感じたメリットをお話しします。
家庭菜園を始めたきっかけ
「野菜を育ててみよう!」
そんな思いつきが現実になったのは、実家で畑をしている両親のサポートがあったからでした。
苗やプランター、肥料などを分けてもらい、最初に育てたのはミニトマトとナス。
私がやったのは、毎日水をあげるだけ。
それでも、実がつき、収穫できたときの喜びは今でも忘れられません。
「私にも、できることがあるんだ」
その小さな成功体験が、少しずつ自己肯定感を回復させてくれたのです。
土を使った栽培で感じた悩み
一方で、悩みもありました。
マンション住まいでは使い終わった土の処理に困ったり、虫が寄ってきたり。
次第にベランダに出るのが億劫になってしまいました。
さらに、うつの回復期には「動ける日」と「まったく動けない日」が交互にやってきます。
動けない日が続いた夏、土がカラカラに乾き、植物が枯れかけてしまったときには──
「ダメにしてしまった…」
そんな罪悪感が、心にのしかかってきました。
芽が出た瞬間に感じた、強烈な嫌悪感
土を使った栽培をやめようと思った、決定的なきっかけがあります。
それは、夏野菜のシーズンが終わり、カブの種をまいたときのことでした。
土から芽が出た瞬間──なぜか強い嫌悪感がこみ上げてきたのです。
思い返してみると、私は昔から「空き地に急に生える雑草」や「コンクリートの隙間から伸びる草」に、鳥肌が立つような気持ち悪さを感じていました。
「植物の“生命力”や“力強さ”が、うつ状態の心には刺激が強すぎるのかもしれませんね」
これはその頃、カウンセラーの先生に言われた言葉です。
確かに当時の私は、元気な笑い声やリクルートスーツの新社会人を見るだけで、体がこわばるような状態でした。
そんな私にとって、自ら土を掘ってぐんぐんと伸びる芽のエネルギーは、あまりに眩しすぎたのかもしれません。
「これは無理だ……」
そう感じた私は、耐えられず新芽を全て抜いてしまいました。
それは今でも、つらい記憶として残っています。
それでも、植物を育てることはやめたくなかった
一日一回ベランダに出て、植物の変化を見る。
その時間は、私にとって大切なひとときでした。
野菜を育て、食べる。
それは心の回復にも良い経験だったと思います。
だからこそ、「これをやめたら、また何もできない自分に戻ってしまう」
そんな不安もあり、どうすれば無理なく続けられるかを真剣に考えました。
水耕栽培との出会い
そのとき出会ったのが、水耕栽培です。
調べてみると…
- 土を使わないので虫がつきにくい
- 狭いスペースでもできる
- タッパーやスポンジで始められる
- 100円ショップのグッズでOK
とにかく、気軽に始められそうだったのです。
さらに、「発芽への嫌悪感」の正体がはっきりしたことも前へ進むきっかけになりました。
それは、コンクリートから無理やり顔を出す植物の“矛盾”や“不自然さ”、そして土の中で何が起きているかわからない“見えない不安”。
だからこそ──
「これならできる!」
どこからともなく湧き上がったその強い確信を胸に、私は豆苗を買いに走りました(笑)
豆苗の再生栽培で、発芽の嫌悪感を乗り越えられた
水耕栽培を始めるにあたり、まずは空き容器で豆苗の再生栽培に挑戦しました。
すでに芽が出ている状態から育てるため、発芽の嫌悪感もなく成長を見守れます。
毎日光に向かって葉が伸びていく様子は楽しくて、収穫するのが寂しくなるほどでした。
次に、種まきにも挑戦しようと、スポンジの上にリーフレタスの種をまきました。
スポンジには穴が開いているので、土ほど嫌悪感はないのではないか。
その予想はあたり、芽が出ても恐怖は感じる事はありませんでした。
水耕栽培では、根っこの成長も見る事が出来るので不安感も少なく、
成長を「頑張れ!」と応援する気持ちで見守る事が出来ました。
水耕栽培は、やさしい一歩
何かを始めるには、大きなエネルギーが必要ですよね。
「家庭菜園をやってみたい」と思っても、道具をそろえるのも大変ですし、うまく育たなかったときの落ち込みも心配です。
だからこそ、手軽に始められる方法があるのは、大きな助けになると思います。
たとえば、スーパーの豆苗やネギを使って、再生栽培から始めてみるのもおすすめです。
根が浸かる容器に入れて毎日水替えするだけで、長く収穫を楽しめますよ!
このブログでは、私が育てている野菜たちの成長記録も紹介していきます。
もし、野菜作りに少しでも興味を持ってくださった方がいたら、一緒にその成長を見守っていただけると嬉しいです。
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